韓国で起きている文化戦争 #2

進歩政治連合の機関紙「進歩」の1994年9月号には、当連動の馬山昌原支部長ユビョンイルの「前進するか、後退するか」という記事が載っている。この記事には、次のような内容が含まれている。

「[私たちの]文化的力量から言えば、世界最高だ。…文益煥牧師の言葉だが、ヨーロッパを訪問した文化活動家たちが確認したところによると「文化運動の例を見るためには、韓国に行け」という言葉が広がっているという。実際に私たちの周りを見ると様々な分野で陣地は構築されている。さらに学界を見ても進歩的な学者たちは、一つの思想的な潮流として定着した。産業社会研究会、韓国社会科学研究所という研究集団や、「ハンギョレ新聞」、月刊<言葉>、月刊<社会評論 ギル>、そして多数のムック誌、出版社、ジャンサンゴッメをはじめとする映画集団、民族劇、民衆美術、民衆音楽、さらにはコンピュータクラブまでないものはない。問題は、このようなイデオロギーの生産集団が強力な政治的指導を受けていないという点だ。だからグラムシが生まれ変わるなら、必ずこう言うと思われる。 「私が言ったことはすべて韓国にある。党だけを除いては。」

上記の記事は、すでに1994年にいわゆる「進歩」勢力自身が、自分たちが文化的ヘゲモニーを掌握したと評価していることを物語っている。それから20年が過ぎた。 20年の間に韓国では、「進歩」勢力が持続的に拡大され、特に文化部門への進出は、非常に強力だった。

以上のような「進歩」勢力の自己評価、20年という時間、今日の韓国文化界の全般的な左傾化現象に照らして見たときに、いわゆる「進歩」勢力は韓国社会の文化的ヘゲモニーを掌握しているだけでなく、彼らのヘゲモニーが強固になったと認めざるを得ない。

韓国社会を牛耳っている、いわゆる進歩左派勢力「進歩勢力」が文化的ヘゲモニーを強固に掌握しているという点は、文化的ヘゲモニーを掌握した彼らを社会全体が進歩勢力という美しい呼び名で呼んでくれているという事実だけでも、十分に立証されている。 韓国で「進歩勢力」と呼ばれている人々は、社会主義者と親社会主義的思想傾向を持つ人々である。進歩は、英語Progressの訳語であり、Progressは「事物の状態がより良く変化すること」を意味する。